パワステポンプ&ステアリングラックブーツ交換の巻

 作業したのはろど君と私サカイです。(文・撮影はサカイ)

 今回は各所がブローしてしまっているろど君の70のパワステポンプ&ステアリングラックブーツ交換をしました。
 ろど君の70はパワステポンプ付近からのオイル漏れが酷く、パワステポンくからの異音とステアリングが重い症状が出てしまっていたので、何とかしたがっていたのですが、ろど君が部品取り車からポンプ&ホース一式を外してきたので、外せたんだから交換できるでしょう♪って事で交換に挑戦してみました。

エンジンルーム向かって右側にあるサクションパイプを外します。
ろど君のはブリッツの旧型のブローオフがついているので取り外しは割と楽でしたが、純正パイプの場合はアンダーカバーを先に外しておいた方がやりやすいです。
また、バッテリー脇にあるヒューズボックスを固定しているネジを外して、ヒューズボックスをある程度動かせる様にしておきます。これをやらないと、パワステオイルリザーバータンクが外せません。
サージタンク脇にパワステオイルリザーバータンクを固定しているボルトが2本ありますので、緩めて外します。
各種配管があって手が入りにくいのですが、配管を傷つけない様に注意してください。これでリザーバータンクは外せます。
但し、今回はリザーバータンク内にオイルが入ったままの状態での作業でしたので、タンクから出ている配管は抜きませんでしたが、オイルを抜いて配管を外せば、この段階でリザーバータンクをここで外してしまうのも可能だと思います。
ヒューズボックス脇と、先程外したサクションパイプの脇にハーネスがスナップで固定されてますので、ラジオペンチなどを駆使して外して下さい。
ラジエターの真後ろにタイミングベルトが掛かっていますが、向かって右側に上下に2つプーリーがあります。
上の段がパワステポンプのプーリーですので、これを外します。プーリーに丸い穴があいてますから、適当な棒をつっかえ棒にしてプーリーを外します。
プーリーを外すと、ポンプを固定しているボルトが正面に3本、丁度サージタンクの真下当りに横向きに1本ありますからこれも外します。
今回の作業ではオイルを抜いていないので、この段階ではまだパワステ関係の配管を動かさない様にしました。
ここで中央の一番大きいアンダーカバーを外します。
ろど君のはパワステオイル漏れの為、オイルでベトベトでした。こういった場合はカバーを外したら綺麗にしておくと、後日オイルが漏れてないか確認しやすいと思います。
上の画像はアンダーカバーをきれいに洗っている所です。
アンダーカバーを外すと、パワステポンプから出た配管がフロントスタビライザーのそばをウネウネと配管されていて、それがオルタネーターの真下当りでステアリングラックに配管されてます。今回はこのラックまでの配管を外します。
配管自体は5箇所で固定されていますので、外します。
ラックのところは銅のパッキンが入っていて、結構固く締められているので舐めない様注意して外します。
外すとオイルがどわ〜って出てきますから、オイル受けを用意しておきましょう♪
配管等を固定しているボルトが全て外れた事を確認したら、リザーバタンクから順序良く移動させながら外していきます。
この時、一人は下にもぐって配管をずらし、一人は上からリザーバタンクを持ち上げるような感じで連携プレイで作業するとかなり楽だと思います。
途中、エアコンの配管に引っ掛かる所もありますが、順序良くやれば外れます。
画像は、今取り外したポンプと交換予定のポンプの違いを見ているところです。
今度は新しいポンプ・配管の移植作業です。
手順的には、外した順序の逆をたどれば出来ます。
注意点としては、ラックのところは油圧が掛かる所ですので、キツク締める必要があります。
配管等を固定しているボルト・ナット等を全て取り付けを確認したら、ベルトプーリーの取り付けです。
プーリーをつけてしまうと、一部のボルト・ナットが隠れてしまうので、プーリーを取り付ける前に必ず増し締めしておきます。
ベルトの装着ですが、1JZ−GTEエンジンは1本のベルトでオルタネーター・エアコンコンプレッサー・パワステポンプなど全てを駆動させていますので、先にプーリーをポンプにつけてしまうとうまくベルトを張ることが出来ませんし、かといって先にベルトをプーリーに引っ掛けておいてもプーリーがポンプに装着できません。
そこで、先にベルトを緩めておく必要があります。今回はオルタネーターをずらして、ベルトを張る手法を取りました。これ以外には、ラジエターファンの真後ろにあるタイミングベルトテンショナーを利用してベルトを緩める方法もあります。
ベルトを緩めプーリーを仮止めしたら、ベルトがちゃんと全部のプーリーに掛かっているかを確認した後、プーリーを固定します。
あとは元通りに配管・固定して交換作業は終了です。
画像は作業が終了したあとのパワステポンプです。ろど君がきれいに磨いたのでピカピカです。

今回はこの後にステアリングラックブーツが破けて(ブローして)いたので、アンダーカバーはまだ装着しませんでした。
●続いてステアリングラックブーツの交換です。
まずフロントタイヤを外します。
そうすると、ブレーキローターのバックプレートの裏からステアリングラックの所までステアリングタイロッドが伸びてまして、途中にトー角度を調整する為にネジが切ってありますが、ここを緩めて外しちゃいますので、マーキングしておいて、元通りのトー角度になる様にしておきます。
今回はマスキングテープを厚めに貼ってマーキングしました。
ステアリングタイロッドをたどっていくと、ブレーキローターのバックプレートの裏でボールジョイントにより固定されてますので、ここを外します。
まずはラジオペンチやプライヤーなどで、割りピンが刺さってますからこれを真っ直ぐに折り曲げて引っこ抜きます。
ボールジョイントの頭についているナットを緩めますがこの段階では完全に緩めないでおきます。
これはボールジョイントを外す際にハンマーで叩くんですが、誤ってネジ山叩いて潰さない様にする為です。
また、叩く位置も重要で、ボールジョイントの付け根にゴムのフニフニした部分があるんですが、ここは絶対叩いてはいけません。破れると大変な事になります。
ナットを緩めたら、ボールジョイントの部分をばっこんばっこん叩いてボールジョイントを外します。
ジョイントが外れたら緩めておいたナットを外します。
ボールジョイントが外れたら、先程マーキングした所を緩めてタイロッドを外します。ここを外さないとラックブーツが装着できないんです。
先にCRCなど潤滑剤をぶっ掛けておいた方がいいです(笑)。
ろど君と私はバイスプライヤーを二つ出動させて、連携プレイで外しました(爆)。
タイロッドが外れたら、ラックブーツを固定しているスナップピンとバンドを外してブーツを交換します。
今回ろど君のは完全に破れてしまっている状態だったので、ラック部分にモリブデングリスを盛っておき、それから新しいブーツを被せました。
ブーツの固定が出来たらタイロッドをマーキングした位置までねじ込み、ボールジョイントをはめこみます。
ボールジョイントをはめる時は叩きこまずに、頭のナットを思いっきり締め込めば大丈夫です。叩き込もうとしたのは何を隠そうこの私です(爆)。
締めこんだら割りピンを刺し込み、プライヤー等で折り曲げて完成です。
まだアンダーカバーは装着させません。パワステオイルの漏れ等がない事を確認する為です。
リザーバータンクにオイルを入れ、エンジンを掛けるとあっと言う間にパワステオイルが吸い込まれるので、補充してやります。
しばらくしたらステアリングをグルグル回しながらエア抜き&オイルの補充をやります。妥協せずきっちりやっておきましょう♪
エア抜きが出来たらオイル漏れ等ない事を確認してエンジンを止め、アンダーカバーを装着して、作業終了です。


 作業後のろど君の感想は”軽くなった!”との事でした。
 天気や時間の関係もあり、私は試乗出来ませんでしたが、かなり軽くなったそうです。
 また作業前運転していた時はパワステポンプの音がかなり鳴っていた様ですが、それも消えて大喜びでした♪ろど君ブローが治ってよかったね♪

 ●最後に私から一言。
 パワステポンプなどの油圧系統は予想以上の圧力が掛かってますし、ちょっとした作業の失敗が原因でトラブルに繋がりかねません。
 この作業をする場合は、慎重に作業してください。また2人以上で作業する事をお勧めします。

 今回は1JZ搭載の70スープラの場合ですので、同じ70スープラでも7M・1G搭載の70スープラは構造が違うはずなので、御了承下さい。



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